1. 接続詞「although」の基本的な使い方(~だけれども・~にもかかわらず)
「although」は、「~だけれども」「~にもかかわらず」という意味の接続詞です。対比や譲歩を表すために使われます。
Although it was raining, we went for a walk.
雨が降っていたけれども、私たちは散歩に行きました。
She went to work although she was feeling sick.
彼女は具合が悪かったにもかかわらず、仕事に行きました。
2. 「although」と「though」の違い(ほぼ同じ意味)
「although」と「though」はほぼ同じ意味で、多くの場合互換的に使えます。ただし、「though」はより口語的で、文末や挿入句としても使えます。
Although he's old, he's still active. (= Though he's old, he's still active.)
彼は年老いているけれども、まだ活動的です。
I like him. He can be annoying, though. (文末で使う「though」。この位置では「although」は使えない)
私は彼が好きです。でも、時々イライラさせることもあります。
3. 「although」と「but」の違い(同じ文で使えない)
「although」と「but」は似た意味を持ちますが、同じ文で一緒に使うことはできません。これは両方とも対比を表す接続詞だからです。
Although it was expensive, I bought it. (正しい)
それは高価だったけれども、私はそれを買いました。
It was expensive, but I bought it. (正しい)
それは高価でしたが、私はそれを買いました。
Although it was expensive, but I bought it. (誤り)
(誤った表現)
4. 「although」を使った文の構造(接続詞+節)
「although」は接続詞なので、その後には完全な節(主語+動詞)が続きます。
Although [she speaks English fluently], she is Japanese.
彼女は流暢に英語を話すけれども、日本人です。
I decided to go although [my friends advised against it].
友達は反対したけれども、私は行くことに決めました。
5. 「although」節の位置(文頭または文末)
「although」節は文頭にも文末にも置くことができます。文頭に置く場合は通常コンマで区切ります。
Although he's very talented, he's still modest. (文頭)
彼はとても才能があるけれども、まだ控えめです。
He's still modest although he's very talented. (文末)
彼はとても才能があるにもかかわらず、まだ控えめです。
6. 「although」と仮定法(過去の事実とは異なる仮定)
「although」は仮定法と共に使うこともできます。過去の事実とは異なる状況を仮定するときに使います。
Although he could have won, he decided to withdraw from the race.
彼は勝つことができたにもかかわらず、レースから撤退することを決めました。
Although I would have liked to help, I was too busy.
手伝いたかったけれども、私はあまりにも忙しかったです。
7. 「even although」の形(たとえ~でも)
「even although」の形で、「たとえ~でも」という意味になります。譲歩の意味がさらに強調されます。
Even although it was very difficult, he managed to finish the task.
たとえそれがとても難しかったとしても、彼はなんとかそのタスクを終えました。
I would still love you even although you made a mistake.
たとえあなたが間違いを犯したとしても、私はまだあなたを愛するでしょう。
8. 「although」と「despite/in spite of」の違い(語法の違い)
「although」と「despite/in spite of」は似た意味を持ちますが、語法が異なります。「although」の後には節(主語+動詞)が来ますが、「despite/in spite of」の後には名詞や動名詞が来ます。
Although it was raining, we went out. (節)
雨が降っていたけれども、私たちは出かけました。
Despite/In spite of the rain, we went out. (名詞)
雨にもかかわらず、私たちは出かけました。
Despite/In spite of being tired, I finished my work. (動名詞)
疲れていたにもかかわらず、私は仕事を終えました。
9. 「although」で始まる従属節のみ(省略された主節)
時折、「although」で始まる従属節のみで文が終わることがあります。主節は文脈から理解できるため省略されています。
"Are you coming to the party?" "Although I'm not sure if I can make it." (主節の「I might come」や「I'll try」が省略されている)
「パーティーに来ますか?」「行けるかどうかはわかりませんが(行けるように努力します)。」
"That was a great movie!" "Although the ending was a bit disappointing." (主節の「I agree it was good overall」などが省略されている)
「あれは素晴らしい映画だった!」「ただ、結末は少し残念でしたが(全体的には良かったです)。」
10. 「as although」の誤用(「as if」や「as though」と混同)
「as although」という表現は誤りです。「~のように見える」という意味では「as if」または「as though」が正しい表現です。
He looks as if/as though he hasn't slept for days. (正しい)
彼は何日も眠っていないように見えます。
He looks as although he hasn't slept for days. (誤り)
(誤った表現)
11. 「although」を使った譲歩の表現(~ではあるが)
「although」を使うと、何かを認めつつも別の側面を強調するという譲歩の表現ができます。
Although small, the apartment is very comfortable.
小さいけれども、そのアパートはとても快適です。
The museum, although expensive to enter, is worth visiting.
そのミュージアムは、入場料が高いけれども、訪れる価値があります。
12. 「although」を使った丁寧な意見の相違(柔らかい反論)
「although」は丁寧に意見の相違を表現するためにも使われます。直接的な反論を避け、より柔らかい表現にします。
Although you make a good point, I have to disagree.
あなたの指摘はもっともですが、私は同意できません。
I understand your concern, although I think you're worrying too much.
あなたの心配は理解できますが、あまり心配しすぎだと思います。
13. 「although」と「while」の類似点(対比を表す場合)
「although」と「while」は対比を表す場合、似た意味になることがあります。
Although I like coffee, my wife prefers tea.
私はコーヒーが好きですが、妻は紅茶が好きです。
While I like coffee, my wife prefers tea.
私はコーヒーが好きですが、妻は紅茶が好きです。
14. 「although」を使った書き言葉と話し言葉の違い
「although」は「though」よりも少しフォーマルで、書き言葉で多く使われる傾向があります。話し言葉では「though」がより一般的です。
Although the evidence was inconclusive, the jury reached a verdict. (書き言葉、フォーマル)
証拠は決定的ではなかったけれども、陪審員は評決に達しました。
It's cold, though it's supposed to be summer. (話し言葉、カジュアル)
夏のはずなのに、寒いです。
15. 「although」と後続する「yet」や「still」(強調表現)
「although」節の後に「yet」や「still」を使うと、対比がさらに強調されます。
Although he studied hard, yet he failed the exam.
彼は一生懸命勉強したにもかかわらず、それでも試験に失敗しました。
Although she was tired, still she continued working.
彼女は疲れていたにもかかわらず、それでも仕事を続けました。
まとめ
(品詞別の用法)
用法 |
意味 |
例文 |
although(接続詞) |
~だけれども・~にもかかわらず |
Although it's expensive, I'll buy it. |
(重要な表現)
用法 |
意味 |
例文 |
although vs. though |
ほぼ同義(thoughはより口語的) |
Although/Though I'm busy, I'll help. |
although vs. but |
同じ文で使えない |
Although it's hard, I enjoy it. |
although + 節 |
接続詞+完全な節 |
Although [he tries], he fails. |
(慣用表現)
用法 |
意味 |
例文 |
even although |
たとえ~でも |
Even although it's late, I'll go. |
although vs. despite |
語法の違い(節 vs. 名詞) |
Although it's cold vs. Despite the cold. |
although(省略文) |
主節が省略された表現 |
Although I'm not sure. |
although + yet/still |
対比の強調 |
Although tired, still she worked. |
「although」は基本的に「~だけれども」「~にもかかわらず」という意味の接続詞です。対比や譲歩を表現するために使われます。「though」とほぼ同じ意味ですが、「although」の方がやや形式的です。「but」と似た意味を持ちますが、同じ文で一緒に使うことはできません。「although」の後には完全な節(主語+動詞)が続きます。「despite」や「in spite of」と意味は似ていますが、語法が異なります。「although」は丁寧に意見の相違を表現したり、譲歩の表現をしたりするのに役立ちます。書き言葉では「although」、話し言葉では「though」がより一般的に使われる傾向があります。